第2回の与論島イベントが終わりました。数字から先に言います。スレート(グリドル)で焼き上げたYORON BBQバーガー、3時間半で約170食。用意したバンズは、最後の1個までぴったり使い切って完売です。真夏の島で、行列は途切れませんでした。
販売価格は1個700円。島の施設の3周年のお祝いを兼ねた出店で、「与論でこの価格で、このクオリティのバーガーが食べられるなんて」という声を、その場で何度もいただきました。終わってみれば、感想は「反響の嵐」としか言いようがありません。
崩れかけたパティを、チーズがまとめる
現場は、きれいごとだけでは済みませんでした。170食を3時間半で焼き続けると、粗挽きのパティは端から崩れやすくなります。そこで効いたのが、スマッシュバーガーの定石であるチーズでした。押しつぶした肉の上でチーズを溶かし、断面ごとひとつにまとめてしまう。焼き手はヘラ一本で、崩れかけた一枚を最後まで一枚として仕上げ続けました。
私たちが使ったのは、蓋を閉めない厚いスレート(グリドル)です。スマッシュバーガーは、鉄板の蓄熱に肉を押しつけて一気に焼き面をつくる料理なので、蓋は使いません。だからこそ、板の温度が落ちないうちに次を置けるかどうかが勝負になります。3時間半、焼き面の色だけを見ながらリズムを守り切ったのは、道具の力というより焼き手の手際でした。
ちなみに最後の5枚は、行列が落ち着いてから3人がかりで焼いた「完璧なパティ」。ダブルチェックを重ねた渾身の5枚で締められたのは、ささやかな誇りです。
170食が教えてくれた、島とBBQの相性
今回あらためて確信したことがあります。同じ道具を、同じように本土のどこかに持ち込んでも、この熱量にはならなかっただろうということです。与論島には、バーベキューを、肉を焼くという営みそのものを、まっすぐ喜んでくれる文化的な素地がある。
与論島では、「飲みに行こう」が、そのまま「BBQしよう」になっている。
これは私たちがYORON BBQという名前に込めた核心そのものです。「飲みに行こう」を「バーベキューしよう」に変える——それがすでに日常として成り立っている場所は、日本ではこの島しかない。第2回のイベントは、その仮説をまた一段、体感に変えてくれました。
衛生管理は、島に持ち込む前から
大量調理でいちばん神経を使うのは、焼く前の工程です。今回の出店でも、島に渡る前の輸送・保管・解凍を管理の中心に置きました。冷凍肉は個包装が傷まないよう梱包で保護し、輸送中も肉同士がぶつからないように積む。解凍は水を使わず、冷蔵庫で低温のままじっくり解凍しきる。焼き面の温度と中心の火入れは、目視ではなく数字で確認する。当日はこの手順を全員で共有してから火を入れています。
今回の経験で得た梱包と低温解凍の具体的な手順は、今後の出店の標準としてチームで固め、ACADEMYの内容にも反映していきます。安全は、おいしさの前提です。
次は、あなたの街で
与論で確かめた火を、今度は本土へ。毎月の月1BBQは、誰でも手ぶらで参加できるオープンな会です。170食の熱気の、その源にある「火を囲む時間」を、ぜひ一度体験しに来てください。